香川県は2010年3月18日平成21年度の県文化芸術新人賞の受賞者を発表した。2回目となる今回の受賞者は、工芸とクラシック音楽の分野で活躍する計4名が選ばれた。いずれも各ジャンルで多方面から評価を受ける県内在住、出身の30代の若手で、香川の芸術界の次代を担う逸材が揃った。
選ばれたのは陶芸作家の亀井洋一郎さん(35)=東かがわ市=、漆芸作家の辻孝史さん(36)=高松市=、サクソホン奏者の国末貞仁さん(31)=埼玉県、同市出身、同じくサクソホン奏者の白井奈緒美さん(32)=三木町=。
同賞は10月〜12月に候補者を公募。美術、音楽、舞踊などのジャンルで自薦と他薦を合わせた16人の応募があり、県文化芸術振興審議会(会長・橋本一仁四国学院大教授)が決めた。表彰式は平成22年3月25日、県庁で行われた。また1回目の昨年度と同様、県は美術部門の受賞者の作品展と、音楽部門の受賞者の演奏会を予定している。
亀井洋一郎さんは一辺5センチの立方体を多く作り、それらを組み合わせて造形するスタイルを一貫。全国公募展で最高賞にも輝いた。
辻孝史さんは人間国宝の太田儔(ひとし)さんに師事し、太田さんの籃胎(らんたい)技法に、漆芸家だった父、故辻昭二さんが手がけた蒔絵を組み合わせる技法を探求している。日本伝統工芸展で過去9回の入選を重ね、日本伝統漆芸展にも5回の入選を果たし、また日本工芸会の正会員にも認定されている。
国末貞仁さんは全国コンクールで上位に進む一方、各地でソロやグループで活動。また関東地方を拠点にする県出身の若手プロで新感覚の合奏団をつくり、県内外で公演を開いている。
白井奈緒美さんは音楽教育の聖地、パリ国立高等音楽院を最優秀で卒業。数々の国際コンクールで上位に入り、現在は古里に帰ってコンサートや後進の指導を行っている。